目次
◎本記事を読むべき対象者
- 道路の災害対策を端的に理解したい人
- 技術士二次試験建設部門道路分野の受験者
技術士試験の延期日程が9/21(月)・22(火)に決まりました。約2ヶ月程度のため、受験生は追い込んでいきたいところです。そこで、道路技術者のわたしが、建設部門道路分野の予想問題とそれに対する模範解答を作成しました。道路部門受験者は必見の内容です。
◎予想問題
道路の耐災害性強化について記述せよ。
◎模範解答
○道路の耐災害性強化の概要
道路の耐災害性強化とは、大災害に対してソフト・ハードの両面から万全を期すべく、近年の大災害から得られた教訓をもとに、施策を講じていくことである。
施策ⅰ:発災後の統括的交通マネジメント組織の構築
常時から交通マネジメントに係る統合的な組織を構築し、災害時には常時の行政以上の権限を与える。
施策ⅱ:非常時における柔軟な車線運用
①路肩による走行空間の確保、②LEDを利用した区画線標示等のフレキシブルな車線設定、③可動式中央分離帯によるリバーシブルレ-ンの適用、等を行う。
施策ⅲ:災害に配慮した道路構造令などの見直し
①2車線道路の路肩を従来よりも拡幅、②緊急車両用の緊急入退出路を設置、③回復力・復元力のための4車線化、④緊急車両の駐車・停車機能強化のために道の駅等の容量拡大、等を行う。
施策ⅳ:耐災害性評価・リスクアセスメントの導入
道路ネットワークの耐災害性を評価する手法を充実させ、道路区域外のリスクを含めたアセスメントを実施する。
施策ⅴ:迅速な復旧に向けたトレーニング強化
国と地方自治体が常時から連携し、復旧計画の策定等を議論するなど、事前準備を強化する。
施策ⅵ:徒歩避難が困難な場合の避難手段検討
徒歩以外の避難手段を確保する。
学習支援のために、本記事について、音声起こしをしました。スキマ時間の活用として、作業をしながら、倍速かつリピート再生でお聞きください。
◎参考文献
道路の耐災害性強化に向けた有識者会議– 国土交通省