◎本記事の対象者
- 文章が苦手な方
- 技術士二次試験建設部門の受験者
本記事は、技術士二次試験建設部門の試験対策として、道路技術者のわたしが解答論文構成案を示します。特に文章を組み立てることが苦手な受験者は必見の内容です。今回は共通の設問Ⅰについて解説します。これまではⅡ-2、Ⅲについて解説しておりますので、あわせて御覧ください。
◎設問のテンプレート化
解答論文構成案を作成する上では、過去問を確認することが必須です。昨年度に試験形式が大きく変更したため、今年度の形式は昨年度と同じと考えて良いです。したがって、本記事では過去問ベースで解答論文構成案を作成します。(異なる可能性も勿論あります。)
まずは以下の過去問を参考に、設問をテンプレート化します。
○設問テンプレート
【Ⅰ】
~背景~
背景を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)
○○(2019は生産性革命、国土強靭化)に関して、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)
(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を分析せよ。
(3)
(2)で提示した解決策に生じうるリスクとその対策について述べよ。
(4)
(1)~(3)を業務として遂行するにあたり、必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
◎解答論文構成案
前述の設問テンプレートより、解答論文構成案を各設問ごとに示します。3枚の解答用紙のため、各項目の分量に注意して解答論文を構成します。
設問Ⅰは設問Ⅲに(4)が加わった構成になります。そのため、Ⅲの構成を若干少なくし、(4)を5・6行程度(見出し含め)加えるイメージです。
1.多面的な課題の抽出と分析
設問(1)では課題を多面的に回答する必要があります。文量の目安は原稿用紙1枚弱程度です。設問(2)とあわせて1枚になるぐらいが丁度よいです。そのため、課題を3項目に分類すれば、各課題に対する各分析は5~7行程度記述してください。
課題は3項目以上でも良いですが、これ以上増やすと各項目の文量が少なくなるため、3項目がベターです。また、設問(2)以降では最も重要な課題の1項目のみに着目するため、課題項目をあまり増やしすぎても意味がありません。
2.最も重要な課題
設問(2)では設問(1)で記述した課題のうち、1項目を取り上げます。前述の通り、設問(1)とあわせて1枚ぐらいが目安です。
3.解決策
ここでは2.で取り上げた課題に対して、複数の解決策を記述します。解決策は大項目と小項目に分けて記述することで、文量のバランスが取れて、端的に分かりやすい論文になります。
各小項目と全体の文量を考えると、小項目は合計6項目ぐらいがバランス良いです。大項目を2、それに対する小項目を3とすると、ここでの文量の目安は原稿用紙1枚強のため、各小項目は3・4行程度になります。
自分の中で蓄積した骨子表をそのまま書くイメージで記述できるため、文量のバランスさえ意識していれば、まとまった論文になります。
4.リスクと対策
ここでは、設問(3)に対して、リスクとその対策について、分けて記述します。文量の目安は原稿用紙0.5枚程度です。
①リスク
ここでは、3.で記述した解決策を実施することで起こりうる新たなリスクを、5・6行程度で記述します。例えば、「新たなインフラを整備すると、人手不足や財政難より、維持管理が困難になる」のような内容です。
②対策
ここでは、前述したリスクの対策を4行程度で記述します。①とあわせて0.5枚程度になればよいです。
5.必要要件
ここでは、設問(4)に対して、「技術者としての倫理」「社会の持続可能性」の観点から設問(1)~(3)の必要要件を記述します。これまでの設問を踏まえての設問(4)になりますが、「技術者としての倫理」「社会の持続可能性」の観点で回答すると、どんなテーマでも同じような内容になってきます。
「技術者としての倫理」は住民やインフラ利用者が安全・安心を確保できるということを記述すればよいです。また、「社会の持続可能性」は維持管理について記述すれば良いです。
したがって、各自で5行程度の文章を予め用意しておき、ここであまり時間を掛けないようにしてください。
◎解答論文構成案の解答用紙イメージ
実際に、解答用に記述したイメージを掲載します。文量のイメージや記述方法例を参考にしてください。