◎本記事の対象者
- 文章が苦手な方
- 技術士二次試験建設部門の受験者
本記事は、技術士二次試験建設部門の試験対策として、道路技術者のわたしが解答論文構成案を示します。特に文章を組み立てることが苦手な受験者は必見の内容です。今回は設問Ⅲについて解説します。別記事ではⅠ、Ⅱ-2について解説しておりますので、あわせて御覧ください。
◎設問のテンプレート化
解答論文構成案を作成する上では、過去問を確認することが必須です。昨年度に試験形式が大きく変更したため、今年度の形式は昨年度と同じと考えて良いです。したがって、本記事では過去問ベースで解答論文構成案を作成します。(異なる可能性も勿論あります。)
まずは以下の過去問を参考に、設問をテンプレート化します。
○設問テンプレート
【Ⅲ】
~背景~。背景を踏まえ、●●を担当する技術者として、以下の内容について記述せよ。
(1)
~に対して、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)
(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)
(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
◎解答論文構成案
前述の設問テンプレートより、解答論文構成案を各設問ごとに示します。3枚の解答用紙のため、各項目の分量に注意して解答論文を構成します。
1.多面的な課題の抽出と分析
設問(1)では課題を多面的に回答する必要があります。文量の目安は原稿用紙1枚程度です。そのため、課題を3項目に分類すれば、各課題に対する各分析は6~8行程度記述してください。
課題は3項目以上でも良いですが、これ以上増やすと各項目の文量が少なくなるため、3項目がベターです。また、設問(2)以降では最も重要な課題の1項目のみに着目するため、課題項目をあまり増やしすぎても意味がありません。
2.最も重要な課題
設問(2)では設問(1)で記述した課題のうち、1項目を取り上げます。
3.解決策
ここでは2.で取り上げた課題に対して、複数の解決策を記述します。解決策は大項目と小項目に分けて記述することで、文量のバランスが取れて、端的に分かりやすい論文になります。
各小項目と全体の文量を考えると合計7・8項目ぐらいがバランス良いです。大項目を3、それに対する小項目を2~3とすると、ここでの文量の目安は原稿用紙1.5枚程度のため、各小項目は3~5行程度になります。
自分の中で蓄積した骨子表をそのまま書くイメージで記述できるため、文量のバランスさえ意識していれば、まとまった論文になります。
4.リスクと対策
ここでは、設問(3)に対して、リスクとその対策について、分けて記述します。文量の目安は原稿用紙0.5枚程度です。
①リスク
ここでは、3.で記述した解決策を実施することで起こりうる新たなリスクを、4行程度で記述します。例えば、「新たなインフラを整備すると、人手不足や財政難より、維持管理が困難になる」のような内容です。
②対策
ここでは、前述したリスクの対策を4行程度で記述します。①とあわせて0.5枚程度になればよいです。
◎解答論文構成案の解答用紙イメージ
実際に、解答用に記述したイメージを掲載します。文量のイメージや記述方法例を参考にしてください。
【1枚目】
【2枚目】
【3枚目】
◎おわりに
事前に解答論文構成が頭に入っていると、どんな問題が来ても知識があれば、合格点を満たす解答論文が制限時間内にかけるはずです。いきなり解答用紙に文章を書き始めるのではなく、問題全体を見て、構成にしたがってどこに何を書くか決めてから、解答用紙に記述するようにしてください。点数が高い人ほど、消しゴムを使う頻度は少ないです。
また文量はあくまで目安のため、書きやすい項目の文量を増やしたり、書きにくい項目は減らしたりと調整してください。
試験日まで残り2ヶ月を切ったので、ラストスパートをかけましょう。
それでは~