本記事を読むべき対象者
- 技術士二次試験建設部門道路分野の受験者
道路技術者のわたしが、建設部門道路分野の予想問題とそれに対する模範解答を作成しました。道路部門受験者は必見の内容です。今回は、道路構造令の改定内容であるⅡ−1で出題されそうな「自転車通行帯」について作成しました。
2021年版 技術士第二次試験 建設部門 合格指南 [ 日経コンストラクション ]予想問題
自転車通行帯の概要について記述せよ。また、計画・設計時の留意点を列挙せよ。
2021年版 技術士第二次試験 建設部門 合格指南 [ 日経コンストラクション ]
模範解答
1.概要
自転車に必要な幅員が確保できないなどにより、自転車道の整備は全国的に進んでいない。そのため、より幅員が狭くてすむ自転車専用通行帯について、道路構造令に「自転車通行帯」として位置づけられた。
そして、自動車、自転車、歩行者の交通量に応じて、歩道や車道と分離する必要がある場合に自転車通行帯を設置する。ただし、自転車の安全性確保のため、設計速度60km/h以上の道路には自転車道を設置する。
また、普通自転車通行帯として交通規制がなされる場合は、道路標識、路面標示などにより視覚的に分離される通行空間とする。通行規制がなされない場合は、矢羽根型路面標示などを設置し、自転車通行位置を示し運用する。
2.計画・設計の留意点
- 幅員は1.5mとし、やむを得ない場合は整備区間の一部で1.0mとする。ただし、側溝を除く舗装部分で1mを確保する。
- 自転車通行帯は車道部分のため、自転車通行帯を設ける場合でも路肩を設置する。
- 逆走防止のため、自転車のピクトグラムと進行方向を示す矢印を設置する。
- 停車帯は自転車通行帯の左側に設置する。停車帯と自転車通行帯の間は停車車両のドアの開閉時の接触を避けるため、余裕幅を確保する。
以上
参考文献
道路構造令の解説と運用(令和3年3月版)