◎本記事を読むべき対象者
- 納税者
- 技術士二次試験建設部門の受験者
社会資本は税金によって、整備されております。納税者ならどのように使われているか知っておきましょう。道路技術者のわたしが解説します。
また、技術士二次試験建設部門にも出題されそうな内容のため、受験者は必見です。
◎社会資本整備の効果
道路などの社会資本整備の効果には、フロー効果とストック効果があります。
〇フロー効果
公共投資の事業自体により生産、雇用、消費等の経済活動が派生的に創出され、短期的に経済全体を拡大させる効果のことです。
〇ストック効果
整備された社会資本が機能することによって、整備直後から継続的に中長期にわたり得られる効果のことです。そして、①安全・安心効果、②生活の質の向上効果、③生産性向上効果の3つに区別されます。
③生産性向上効果は移動時間の短縮や輸送費の低下などが挙げられます。
◎ストック効果最大化に向けて
国は”ストック効果の最大化に向けて”と題した提言をしております。
その中で、今後は社会資本整備に対して”賢く”投資するとともに、整備後は”賢く”使うことによって、ストック効果をより引き出すべきとしております。
具体的には以下の”賢い”事例があげられます。
- 自動車メーカー工場の操業開始に合わせ、付近の高速道路にインターチェンジを設置すること
- 道路利用状況をETC2.0等から得られるビッグデータを分析し、危険箇所に対策を講じること
- 国や自治体が公共事業の計画や完成の見通し情報を開示する等の、これらの投資や施設の運用に向けた条件を整備すること
- 効果を客観的に定量的なデータで表す”見える化”、より積極的にアピールする”見せる化”
- 公共事業のフィードバックを含めた、これらのサイクルの確立
◎最後に
これからの社会資本は、限られた予算内でより効果的かつより効率的に整備させる必要があります。そのためには、ストック効果を”賢く”発揮させることが重要であります。
それでは~
※本記事は国交省HPをもとに解説しております。