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本記事を読むべき対象者
- 技術士二次試験建設部門道路分野の受験者
道路技術者のわたしが、建設部門道路分野の予想問題とそれに対する模範解答を作成しました。道路部門受験者は必見の内容です。
今回はⅡ−1−1で出題されそうな「曲線区間の拡幅」について作成しました。Ⅱ−1−1は、毎年、道路構造令から出題されており、今年も間違いなく出題されます。
予想問題
曲線区間における拡幅量の算定の考え方について記述せよ。また、拡幅量を適用する際の留意点を記述せよ。
模範解答
(1)曲線部拡幅量の算定の考え方
曲線部においては、自動車の前輪と後輪とで異なった軌跡を描くため、直線部よりも広い車線幅員を必要とする。
そのための拡幅量は、直線部における設計車両の車輪幅に外輪差を加えて算定する。
(2)拡幅量適用の留意点
留意点①:大型車交通
特例の場合に拡幅量を縮小・削減できる都市部の道路や、大型車交通の少ない第3種第5級等の道路においても、大型車交通が予想される場合は、大型車の車両幅による拡幅量を加えた幅員を確保する。
留意点②:曲線半径
曲線半径が35m以上で大きく、上下線で幅員構成が同じ場合は、道路中心線の半径に対する拡幅量を車線毎に拡幅する。道路中心線と道路幅員の中心が同じあること、また拡幅量が小さいためである。
それに対し、曲線半径が小さい場合は、上下線で拡幅量が異なるため、車線毎に拡幅量を決めることが必要となる。
留意点③:内側拡幅
拡幅量が緩和区間の移程量より大きい場合は、外側の車線が緩和曲線の接続方向よりもはみ出すため、道路中心線の内側に拡幅を行わなければならない点に留意する。