【今更聞けない】
道路技術者が語る
自動運転

◎本記事を読むべき対象者

  • ドライバー
  • 自動運転を学びたい方

世界中の人々の生活・人生を今後変えていく可能性が高い自動運転について、道路技術者のわたしが解説します。自動運転を知らずに今後の人生を歩んでいくことはできません。


自動運転について

○自動運転のレベル区分

ご存知の方が多いと思いますが、自動運転にはレベルがあります。 おさらいの意味で、以下に整理しました。
※国土交通白書より引用

●レベル1〜2
⇛ドライバーによる監視
●レベル3〜5
⇛システムによる監視(レベル1)

(レベル1)

○運転支援
⇛システムが前後・左右のいずれかの車両制御を実施(自動に止まる,前のクルマに付いて走る ACC,車線からはみ出さない LKAS)

(レベル2)

○高度な運転支援:レベル1の組合せ
⇛システムが前後及び左右の車両制御を実施(車線を維持しながら前のクルマに付いて走る)

○高度な運転支援:高機能化
⇛システムが前後及び左右の車両制御を実施(高速道路において、①遅いクルマがいれば自動で追い越す、②高速道路の分合流を自動で行う)

(レベル3)

○特定条件下における自動運転
⇛特定条件下においてシステムが運転を実施(当該条件を外れる等、作動継続が困難な場合は、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要)

(レベル4)

○特定条件下における完全自動運転
⇛特定条件下においてシステムが運転を実施(作動継続が困難な場合もシステムが対応㻕)

(レベル5)

○完全自動運転
⇛常にシステムが運転を実施

レベル1レベル2は自家用車の機能として備わっており、体験したことがあるという方が多いと思います。

レベル3はゴルフ場のカートで体験したことがあるという方がいると思います。あれも自動運転の一種です。


○政府目標

前述したレベル毎に、政府は目標時期を設定しております。
目標では案外早く自動運転が進展しそうです。

  • (レベル1)
    ⇛自動ブレーキの新車乗用車搭載率を9割以上(2020年まで)
  • (レベル3)
    ⇛高速道路におけるレベル3の自動運転(2020年目途)
  • (レベル4)
    ⇛限定地域でのレベル4の無人自動運転移動サービス(2020年まで)
  • (レベル5)
    ⇛高速道路での完全自動運転(2025年目途)

○自動運転による変わる未来

自動運転によって、今後の我々の生活が大きく変わります。

○運転時間が自由時間に

→1人1日あたりの運転時間は80分です。その時間で動画を観たり、読書の時間に割り当てることが出来ます。

○過疎地での交通課題の解決に

→人口減少・少子高齢化や地方の過疎化が進み、地方公共交通の衰退が課題です。

バス輸送人員は、地方都市では2000年以降で25%も減少しております。
また、高齢化が進む地域では自家用車を運転できない交通弱者が増加しています。

このような中、自動運転の導入は地方交通の課題解決に、重要な役割を果たすと期待されております。


○自動運転の実証実験

以上を踏まえ、自動運転を進展させるために、全国各地で実証実験が実施されているので、紹介します。

●中山間地域での自動運転サービス

日常の足や物流の確保が喫緊の課題となっている中山間地域において、行政窓口等の生活に必要なサービスが集積しつつある「道の駅」等を拠点とした自動運転サービスの実現に向けて、2017年度より実証実験を実施しております。

2018年度は、持続可能なサービス提供のビジネスモデルの構築等のため、長期間(1,2ヶ月)の実験を中心に実施しました。

秋田県の道の駅では、のべ約300人の住民が乗車し、仮設信号の設置等による専用走行区間の構築や、運行管理センターにおける予約管理や運行モニタリング、地域の方のボランティア参加など、将来の運営体制を想定した実験等が行われました。

●ラストマイル自動運転

2016年〜18年にかけて、最寄り駅と最終目的地(自宅・病院等)を自動運転で結ぶ「ラストマイル自動運転」の実証実験が全国4箇所で行われました。

2018年は、遠くにいる1人の操作者が2台の車両をモニター越しに監視・操作するという公道での実証実験を世界で初めて福井県永平寺町にて実施されるなど、着実に取組みが行われました。

●トラックの後続無人隊列走行

トラックの「後続無人隊列走行」は、ドライバー不足の解消等、生産性向上に大きな効果が期待され、物流に大きく寄与されます。

このため2019年1月から、後続車両が有人の隊列走行について、新東名での実証実験を開始するなど、技術開発等に取り組んでいる状況です。


○今後の課題

上述の内容では、高速道路や中山間地域などの限定的な箇所での自動運転の話でした。

しかし、全国各地で自動運転を普及させるとなると非常にハードルか高くなると思います。

事故を責任所在をどうするか等の法整備、自動運転のためのハードの整備等が主な課題だと思います。

もちろん、技術開発も進展させる必要があります。


◎まとめ

●限定的な自動運転は数年後の未来には、当たり前のように普及しそう。

●限定的でも、我々の生活を劇的に向上させる効果がある。

今後の自動運転の進展に注目していきましょう。

それでは〜


おすすめ書籍

技術士試験予想問題

技術士試験キーワード

解答論文テンプレ

過去問考察・解答案

>道路技術者支援ブログ

道路技術者支援ブログ

このサイトは、平成元年生まれの道路技術者がインプットのためにアウトプットしていくブログです。 技術士試験の学習支援ツールとして、ブログ記事の音声起こしコンテンツをYou Tubeで配信しています。何かの作業をしながら、ご活用ください。

CTR IMG