【時代の変化についていけ】
2040年,道路の景色が変わる!?
(後編1/3)


◎本記事を読むべき対象者

  • 近い未来の日本のまちがどうなるか気になる人
  • 技術士試験受験者

2040年までに、道路を含むまちの景色が徐々に変化していきます。道路技術者のわたしが、前編の内容を踏まえ、後編として具体的な道路政策について記述します。後編は3編構成で、本記事は1/3になります。

【時代の変化についていけ】2040年,道路の景色が変わる!?(前編)

【時代の変化についていけ】2040年,道路の景色が変わる!?(後編2/3)

【時代の変化についていけ】2040年,道路の景色が変わる!?(後編3/3)


◎道路行政が目指す「持続可能な社会の姿」と「政策の方向性」

前編で記述した将来像を踏まえ、将来世代にわたって人々の幸せの実現に貢献できるよう、概ね20年後を見据え、道路政策を通じて実現を目指す3つの社会像政策の方向性が提案されております。本記事では社会像1について記述します。


社会像1.日本全国どこにいても、誰もが自由に移動、交流、社会参加できる社会


▶データその①

  • 日本の人口:12,644 万人(2018年) ⇒11,092 万人(2040年)…15%減少
  • 人口減少率(2018 年⇒2040年):三大都市圏 8.1%、三大都市圏以外16.8%
  • 消滅可能性都市:1,799(2014年)の自治体のうち2040年には896自治体が消滅の可能性有
  • 乗合バス路線の廃止延長(2008 年⇒2017年):13,249km
  • 乗合バスの輸送人員:5,756百万人(1995年)⇒4,270 百万人(2015年)
  • 既存商店街の空き店舗率:13.8%(2018年)

⇒以上のデータの影響もあり、国民の将来的な不安として、公共交通サービスの減少、徒歩圏内の生活施設の少なさ、コミュニティの弱体化等が示されております。(2018年度国民意識調査)

▶データその②

  • 高齢者人口:3,558万人(2018年)⇒3,920万人(2040年)…高齢者数のピーク
  • 100歳以上の人口:7万人(2018年)⇒30.9 万人(2040年)
  • 高齢者の一人暮らし世帯:593 万世帯(2015年)⇒896万世帯(2040年)…高齢者世帯の3割越
  • 高齢者(70歳代)の外出率:48.0%(1999 年)⇒57.6%(2015年)

⇒高齢世代の外出率は増加しているが、運転免許非保有の高齢者の外出率は保有者よりも低い傾向にあり、今後はますます高齢者の移動サービスの確保が課題となります。

▶データその③

  • 若者(20代)の外出率:67.4%(1999年)⇒55.5%(2015年)
  • 働き方の地元志向:20 代は地元定着・Uターン希望者が76.7% (2011年)
  • 世帯支出に占めるサービス支出の割合:32.7%(1980 年)⇒42.4%(2015 年) 
  • 日本のカーシェアリング車両台数:約0.4万台(2011年)⇒約3.5万台(2019年)
  • 日本のライドシェアの市場規模:約1億円(2018年)⇒約130億円(2030年)

⇒若年世代は、高齢世代とは対照的で外出率が大幅に低下しており、地元で働きたい地元定着志向が強い傾向にあります。一方、コト消費の増加シェアリング志向等、ライフスタイルや価値観は多様化しています。働き方改革の機運の高まりやコロナの経験も踏まえ、企業や政府・自治体においてテレワークの利用が更に拡大します。

▶データその④

  • 自動運転の政府目標
    • 高速道路:自家用車Lv3(2020年), Lv4(2025年)
    • 一般道路: 限定地域 Lv4(2020年),地域拡大(2025 年)
  • 自動運転車(Lv3以上)が世界の新車販売に占める割合:約3割(2040年)
  • コネクテッドカーが世界の新車販売に占める割合:28%(2017年)⇒88%(2035年)
  • MaaSの市場規模(日本):約800億円(2018年)⇒約6兆円(2030年)

⇒現在進行中のモビリティ革命は、中山間地域を含めた国土のフル活用、全ての人への移動や社会的サービスの提供 、交通渋滞・事故の撲滅等、社会的課題を根本的に解決する可能性を持つ。自動運転車やコネクテッドカー(通信ネットワークで外部とつながる自動車)、MaaS等の普及スピードは、現在の予測や目標を大幅に上回る可能性があります。

【データまとめ】今後も全国で人口減少し、住民の生活・生業が持続可能となるような地域社会を形成する必要があります。道路は地域の最も基礎的なインフラであるため、新しい技術を活用して道路サービスを高度化することにより、全ての人が移動手段、交通事故、渋滞の心配なく自由に移動し、交流や社会参加する、生きがいや幸せを実感できる社会の構築を目指すべきです。


政策の方向性①:国土をフル 稼働し、国土の恵みを享受

国交省HPより

【主旨】

全国を連絡する幹線道路ネットワークと高度な交通マネジメントにより、日本各地で人が自由に居住し、移動し、活動する。

【具体イメージ】

●走行性や耐災害性を備えた幹線道路ネットワークが全国を連絡し、骨格となる幹線道路に設置された自動運転車の専用道等で自動運転道路ネットワークを形成
●道路がコネクテッドカーに対し、交通状況、駐車場、休憩施設等の情報を車両毎に提供し、最適経路を案内
● AIによる需要予測を活用した経路や利用時間帯の分散と、リバーシブルレーン等の可変式道路構造が、繁忙期の高速道路の渋滞を解消
料金所を必要としないキャッシュレス料金システムが、区間、車線、時間帯別の変動料金により混雑を解消し、高速道路の稼働率を最大化

国交省HPより

政策の方向性②:マイカーなしでも便利に移動できる道路

国交省HPより

【主旨】

MaaSがマイカーなしでも、全ての人に便利な移動手段を提供します。

【具体イメージ】

●様々な交通モードの接続・乗換拠点(モビリティ・ハブ)が道路ネットワークに階層的に整備され、自動運転バス・タクシー、小型モビリティシェアサイクル等のシームレスな利用が実現
道の駅等を拠点に提供される無人自動運転乗合サービスが、中山間地域において高齢者等に移動手段を提供
●オンデマンド自動運転車の利用者に対し、到着時間や利用可能な乗降スペース等の情報を提供することで、高齢者や障がい者等にドアツードアの移動サービスを提供
●バスタの整備やSA/PAの乗り継ぎ拠点化により、高速バスサービスが全国ネットワーク化

国交省HPより

政策の方向性③:交通事故ゼロ

【主旨】

人と車両が空間をシェアしながらも、安全で快適に移動や滞在ができるユニバーサルデザインの道路が、交通事故のない生活空間を形成します。

国交省HPより

【具体イメージ】

ライジングボラード等が生活道路への通過交通の進入を制限するとともに、速度制限機能を備えた車が普及
●防護柵や段差等の障害物をなくし、横断距離を短くした横断歩道や休憩用のベンチ等を設置することで、誰もが歩きやすい空間を構築
コネクテッドカーから得られる走行データを活用して、安全運転するドライバーの保険料を低減する仕組みが普及し、ドライバーの運転マナーが改善
●「生活道路は人が優先」という意識が国民に深く浸透することで、子供が遊べ、高齢者が散歩・休憩し、大人が立ち話をできるような道路空間を形成


政策の方向性④:行きたくなる、居たくなる道路

国交省HPより

【主旨】

まちのメインストリートが、行きたくなる、居たくなる美しい道路に生まれ変わり、賑わいに溢れたコミュニティ空間を創出します。

【具体イメージ】

道の駅自動運転サービス拠点や子育て応援施設等、あらゆる世代が利用する地域センター機能を提供
●通過車両を環状道路等に誘導・迂回させ、まちの中心となる道路を人中心の空間として再生。オープンカフェやイベントが催される楽しく、安全で、地域の誇りとなる道路空間が創出
●緑地帯や雨庭(雨を一時的に貯めて浸透させる庭)等 のグリーンインフラが、雨水の流出抑制、ヒートアイランド現象の緩和、憩いの場の提供等により、快適な道路空間を形成
無電柱化とともに、照明、標識、防護柵、舗装等のデザインが刷新され、沿道の建築物とも調和した美しい道路景観が創出

国交省HPより

◎おわりに

自動運転というワードが多く出てきたことから、自動運転に寄せられる期待は相当高いです。道路のみならず、世界中の人々の生活を変える力を持つ自動運転の動向には目が離せません。

「料金所を必要としないキャッシュレス料金システム」は、ニュースにも出ていたようにコロナによって、一気に実現していきそうです。

その他も目が離せないテーマが多いので、今後の動向に注目しましょう。

それでは~

参考文献:https://www.mlit.go.jp/road/vision/01.html


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